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「ヤドカリだんちの なみでんしゃ」おはなしの背景2


さて、ヤドカリ団地はどこにあるでしょう?それは、温暖な太平洋の浅い海の磯(岩場)です。ウニのツックンとツンコちゃん、ハコフグくん、貝のホラフキくんの他にも、アメフラシ、貝の仲間、ソラスズメダイなど、身近な生き物たちが主役です。

砂浜から、生まれたばかりのアカウミガメのカメチビくんがやってきます。カメチビくんは、本能のままに深い海へ行ってみたいと思うのですが、そこは、ヤドカリ団地の住人とは少し違う点です。回遊する宿命を持って生まれた生き物だからです。(余談ですが江ノ島水族館のカメのプールに近海で保護されたアカウミガメがいました。)

みんなで海底ランドへ行くために、大潮の時にだけあらわれる「なみでんしゃ」を待ちます。(次の満月を待ちます。)が、それは正確には電車ではなく、潮の干満のエネルギーを動力とした乗り物です。6時間ごとに干潮と満潮を繰り返す潮の自然エネルギーで動くのです。なみおじさんは、その時間を管理する誠実な運転手さんです。働きものの、なみの3きょうだいにも、実は「ザブン」「ザボン」「ザバーン」という名前があります。

電車はドンブラ海岸をはなれ、タコツボいそを通過します。タコツボのまわりにはウミウチワという低い海藻が生えています。 タコさんばかりではなく、貝のトコブシくん、ハゼくん、シマスズメダイくんなど住んでいます。イトマキヒトデやマツバガイもいます。

つぎは、海藻のユラユラ林です。カジメという海藻の林です。葉山の海の風景を参考にしたのですが、江ノ島水族館には、この環境を再現した水槽があります。サザエくんと、一緒なのはナベカという魚です。海藻レストランでは、メジナとブダイが大好物の海藻を食べています。チャガラ、カゴカキダイ、キタマクラが泳ぐ傍らにはアオリイカのカップルがいます。白い横線模様がオス、白い丸模様がメスです。海藻に卵を生むため、やってきたのです。次回へ。


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